相性の良い格闘技

 総合格闘技の黎明期、アルティメットファイティングチャンピオンシップ(UFC)が開催された頃はどの格闘技が世界で一番強いのかということに心を躍らせた。

 初めてのUFCでホイスが優勝した時は柔術ってなんだ?と日本格闘技界が大騒ぎになった。しばらくの間は柔術が無敵を誇った。立ち技系の出る幕はなかったのだ。

柔術家

 その後、レスリング系が柔術を圧倒し始め、そして柔術+キックボクシングが優勢になり、レスリング+ボクシングがこの世の春を謳歌し...現在はどの格闘技が強いというよりは、総合格闘技をやらないとダメということになった。

 もちろん、空手だったりレスリングだったり柔術だったりがベースで、そのうえで総合格闘技をきちんとやらないことにはレベルの上がった総合格闘技ではもはや勝てないのだ。そしてもうこの10年ぐらいは、他の格闘技をやったことがなくて初めから総合格闘技をやっているという若者だって増えている。

 組み技系と打撃系を組み合わせる時には相性がある。

 柔術がベースにあるのならキックボクシングと組み合わせるのが良いだろう。打撃だけの戦いでは蹴りが使える分ボクシングよりも有利だからだ。しかし、ボクシングと違い力強いキックを出せるキックボクシングは、蹴る際に片足になるためタックルを受けやすい。投げられやすいのだ。そして相手に上に乗られる可能性が高くなる。その時に下からの防御が上手で、さらに下から攻めることもできる柔術は非常に相性が良いのだ。だから柔術の道場ではキックボクシングも教えてくれるところが多い。私がアメリカで通っていた柔術の道場もキックボクシングのクラスがあった。これは逆でも同じだ。キックボクシングがベースにあるのならそのキックを生かすために柔術を習うのが良いだろう。

キックボクサー

 そして、レスリングがベースにあるならボクシングを組み合わせるのが良いだろう。絶対に他の格闘技にタックルを許さないレスリングに立ち技系最強のパンチが打てるボクシングが組み合わさればこんなに有利なものはない。ボクシングは蹴らないのでタックルを食らう可能性は低くなるからだ。もしも、相手が柔術家ならば組み合うことなくひたすら殴り続ければ良い。そしてもしも相手がキックボクサーならば殴り合い蹴り合いに付き合うことなく相手が蹴ってきた瞬間にタックルで倒してそのままパウンドでKOだ。

レスラー

 圧倒的な筋パワーがあるのならレスリング+ボクシングが有利だと思う。手足の長さや柔軟性、スタミナに優れているなら柔術+キックボクシングという組み合わせが良いと思う。

 しかし、ここまで総合格闘技のレベルが上がると学ぶ技術はみんな同じになってきて、結局どの格闘技が強いかというよりは、誰が強いかということになってしまうのだ。少し寂しい気もするが(フィジカルで日本人は劣るので学ぶ技術が一緒なら日本人が世界で勝つのは難しいから)、これが時代の流れだろう。

 ああ、そんな話をしていたらやっぱり格闘技をやりたくなってきた。20年ぶりぐらいに道場通っちゃうかなあ。