柔術の先生と断食と風邪

 その昔、25年ほど前に私はアメリカでブラジリアン柔術を学んでいた。

 アメリカ人の生徒の中で、私は唯一の日本人ということもあり、ブラジル人先生にはとても可愛がられていつも練習が終わったらご飯を食べに行ったり、夜は飲んだりしていたものだった。

 ある時、私は風邪をひいた。その時に私は体力をつけなくては食欲もないのに無理にご飯を食べようとしたのだ。

 ブラジル人の柔術の先生は私に、「食べてはだめだ。何も食べてはいけない。野生の動物を見てみろ。怪我をしたり病気になったらじっと動かずに寝ているだろう。食べるのは回復してからだ。せいぜいが果物、みそ汁の上澄みぐらいは良いだろう。他には何も食べてはいけない。食べなければ治るのだ。」と言った。

 その時になるほど思い、それから私は風邪をひいたり、弱っている時は一切食べ物を口にしなくなった。水分補給だけしてひたすら治るのを待つのだ。熱が下がり治ってくると食欲が出てくる。しかし、そこでお腹いっぱいに食べてはいけない。先生の言いつけ通りに少しばかりの果物やみそ汁の上澄みぐらいにしておく。消化するのにも体力は結構使うのだ。

 初めは食欲に負けて食べてしまったりということをしていたのだが、病み上がりで焼肉や牛丼などを食べてしまったりするとぶり返してしまったり引きずってしまったりということが繰り返されたので、今では先生の言いつけを守っている。

 さすがにインフルエンザの時は食べなくても治ったりはしないが、風邪をひいたぐらいだったら直りはかなり早くなると思う。

 もしも、風邪を早く治さなくてはいけないという必要に迫られた時は試してみても損はない。だって一円もお金がかからない方法だからね。

 ある意味、今はやりの断食なわけだ。昔から断食(ファスティング)は洋の東西を問わず実践されてきた健康法であるから、やはりそれなりの理由や効果は実証されているのだろう。

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