自動運転車とタクシーその後

 自動運転車について自動車評論家の国沢光弘さんの書いたものがちょっとおかしいという日記を書いた。

 タクシー料金の内の人件費の割合を不当に低く見積り、タクシー料金の内の人件費の割合は15%程度であるのだから自動運転になっても料金なんて下がらないから普及しないということを書いていた。

 もしかしたら、私の書いたものを見てくれたのかも知れない。先月の国沢さんの自動運転のタクシーに関する記事を読んだら、人件費は50~60%という適正な数字を使っていた。しかし、前回の記事の人件費は15%程度に過ぎないという主張に関する訂正はなし。

 国沢さんどうしても自動運転が好きではないようで(笑)、今回は自動運転のタクシーはコストが高いという主張は無理があったのを理解したようで、自動運転のタクシーのコストは有人のタクシーの半額になるとは認めたのだが、今度はウーバーなどのライドシェアとなら値段変わらないじゃん、だったら有人の方が良くない?という主張になった。

 有人のタクシー料金との比較ではやはりコストは自動運転の方が安くなるけど、ウーバーなどのライドシェアとなら料金は互角になるし、介助を必要とする人には有人じゃないとダメなんだから自動運転ではダメという論調に変わった。


 わからないかなあ。やはり多分自動運転憎しで目が曇ってしまっているのではないかと思う。

 確かに介助を必要とする人はいると思う。でも、そういう人が少なからぬ割合でいると主張しているけど、実際に介助が必要な人を乗せる割合ってどれぐらいなのか。その件についてタクシー運転手に聞いたことがないのでわからないが、絶対に半分もいないと思う。

 今までの人生で乗り降りの際に運転手が介助しているのを何度も見たことがあるのは事実。しかし、介助していない乗り降りの何百分の一なのだろうか。それとも何千分の一なのだろうか。仮に100件に10件あったとしても10%だ。これを少なからぬ割合と主張するのは無理だ。さらに言えば、割高になるのだったら介助は要らないとか自分で荷物は下ろすという人も結構いると思う。今まではタダでやってくれたから運転手にやってもらっていたけど、割安になるのなら荷物ぐらい自分で下ろすわって女性がいても不思議ではない。

 そして、本当に介助が必要な人は割高になるだろうが、普通に今まで通り有人のタクシーを使えば良いのではないだろうか。ある地点からある地点までの移動というサービスに対する料金だけでなく、介助をする運転手にその対価を支払ってあげないといけないわけだから割高になってしまうのは仕方がない(割高というか今までと変わらない料金)。

 圧倒的に多い、介助を必要とせずにタクシーを利用する人は安価な自動運転のタクシーに乗りたいわけで。

 さらに現在のところ、日本でウーバーはタクシーの料金よりも安くない。安くないというか少しタクシーよりも高い値段となっている。

 国沢さんは、日本ではなく世界的に見て(世界というかメインはアメリカ)ウーバーの料金はタクシー料金の半額ぐらいと言っているが、ここは日本なのでアメリカの値段と比較しても意味がない。

 ただし、日本の場合は法規制があるから高い値段になっているけど、その内に二種免許なんかなくして白タク解禁だ!となりアメリカと同様安くなるという可能性はある。もちろん、そうはならない可能性もあるが。

 世界的にもウーバーに法規制をかけている国は珍しくないのだ。ヨーロッパやアフリカではウーバーでトラブルが続出して社会的な問題になっている。

 しかし、もしアメリカと同様ということで話をするならば他の条件も揃えなくてはならない。

 国沢さんはあまり海外の文化に詳しくないのかも知れないが、アメリカの場合はサービスを受けた場合は必ずチップという対価を支払うことになっている(もしも、乗り降りの介助や荷物の上げ下ろしのサービスを提供させてチップの支払いを拒否した場合、かなり怖い思いをすることになる)。


 ウーバーの場合は運転手にチップは不要ということになっているが、それはあくまでウーバーのサービス(ある地点からある地点までの移動)に関してはチップが不要と言っているだけで、乗り降りの介助や荷物の積み込みなどを運転手に求めた場合は必ずチップの支払いは必要となってくる。

 国沢さんは、介助などのサービスは本来のウーバーのサービスには含まれていないのに、その分の対価は支払わない(サービスをタダで利用する)という前提で話をしているが、それは酷い。「世界的に見て」というなら、日本的な「サービスはタダ」という前提ではなく、得たサービスに対してはきちんと対価を払うという前提にしなくては片手落ちだ。

 海外でウーバーが人気なのはその価格が理由である。自動運転が実現してウーバーと同じ価格になったらウーバーの人気は下火になるだろう。つまり、ウーバーの人気は自動運転までの過渡期だからこそなのだ。

 もしも、自動運転とウーバーが同じ値段ならば、犯罪などのトラブルのリスクがあるウーバーよりも自動運転の方が良いという人のが多いと思う。

 犯罪の問題を考えないとしても(ヨーロッパやアフリカではウーバーで犯罪に巻き込まれたり、逆にウーバーの運転手が客に襲撃されたりという事件も多発している)、人が介在するよりも自動運転の方に乗りたいと思う人のが多いと思う。

 女性なんかだったら、プロの運転手ではない見ず知らずのおじさん(お兄さんでも良いけど)に家の前まで送ってもらうよりも自動運転の方が絶対良いと思う。男の私だってそう思うし。

 国沢さんは非常に有能な自動車評論家だとは思うんだけど、よっぽど自動運転が嫌いなんだねえ。ニュートラルな立場で見てみれば良いのに。自動運転に関しては、私のような車に関する素人でも突っ込み所満載の記事になってしまうんだから。

 もしかしたら、自動車評論家という自分の仕事がなくなってしまうという恐れもあるのかも知れないが、この自動運転への流れは国沢さんがどのように動いてももう止まらないよ。

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